先日、Twitterのスペース機能を利用して、動画編集のオンラインセミナーが開催されました。講師はプロの動画編集者で、コワーキングスペース「Rocks」の運営者でもある「ろっかく」こと森下智司。
動画編集で月5万円稼ぐ5ステップを公開!月5万円稼ぐために必要な知識は、動画編集の基礎となる部分です。森下さんの言葉を交えながら、大切な点をピックアップして解説します。
この記事を読めば、動画編集で月5万円稼ぐための道筋がわかります。
これから稼ぎたいと思っている方には、必見の内容となっています。また、少し先をいく先輩方も、復習できる内容です。ぜひ参考にしてください。
ステップ1.道具をそろえる
動画編集に必要な道具は、以下の3つがあげられます。
- パソコン
- マウス
- ソフト
森下さんおすすめの道具を、理由とともに紹介していきます。
一番は「MacBook Air」
森下さんが一番おすすめするパソコンは、Apple社の「MacBook Air」です。理由は24回の分割払いが手数料無料で可能なこと。
「はじめの頃はあまりお金をかけられないじゃないですか」
この言葉に集約されるように、フリーランスで駆け出しの頃は、お金をかけにくいものです。MacBook Airを24回の分割払いにすると、月に1万円もかかりません。
「僕が買ったときは40万円ぐらいしたんですよ」と、森下さんの動画編集に対する本気度が伝わってきます。
現在は技術革新により、半値以下でスペックのよいパソコンが買える時代に。購入しやすい分割払いで、MacBook Airを準備するところからはじめるとよいでしょう。
おすすめのマウスは「トラックボール付き」
動画編集の作業では「トラックボール付き」のマウスを用意しましょう。
「動画編集はマウスの動きが多いから、けんしょう炎になりやすい」
トラックボール付きのマウスであれば、基本親指の動作でポインターを動かせるため、手首への負担が減ります。長丁場になるのが動画編集の作業。値段は5千円ほどから購入可能です。まずはトラックボール付きのマウスを用意して、健康に配慮した作業環境を整えましょう。
必須ソフトは「AdobePremierePro」
動画編集で使用する必須のソフトは「AdobePremierePro」です。理由は使っている人が多いからです。「共同で仕事をするときに、1人だけ違うとめちゃくちゃ嫌がられます」と、現場目線の言葉を聞けました。
これから動画編集の仕事を取る場合、AdobePremiereProの使用が必須条件であることが多々あります。はじめから使うことに慣れていれば、仕事の幅が広がります。ソフトはAdobePremiereProの導入を検討しましょう。
ステップ2.ソフトの使い方を学ぶ
ソフトの使い方は、目的に合わせて学びましょう。最近ではさまざまな方法で学習が可能です。しかし、目的に合っていない学習方法だと、すべて覚えるのに時間がかかってしまいます。
「自分がやっていきたいジャンルを考えたうえで、それに適した編集方法をやったほうが学ぶ内容が絞られるでいいかなと思います」
例えば、はじめたい動画編集が「YouTube」や「TikTok」「Instagramのリール」なのかで、学ぶ方法は変わってくるでしょう。
「最低限のことを覚えるのであれば、1週間で相応のレベルにはなる」
全部を覚えようとせず、ジャンルを絞って行動を起こすのが、月5万円への入り口といえます。
ステップ3.参入する分野を決めてポートフォリオを作る
ポートフォリオを作成するためのポイントは、以下のとおりです。
- ポートフォリオとは何か学ぶ
- ポートフォリオ作成前の注意点を知る
- 参入する分野を決める
- 徹底的にまねをする
それぞれについて順番に紹介します。
ポートフォリオとは自分に何ができるか示したもの
ポートフォリオとは、自分に何ができるかを示したもの、いわば作品集です。
「できますっていうだけだと仕事が取れなくて、何ができるのかっていうのがめちゃくちゃ大事」
フリーランスの世界では自分ができることを相手に伝えても、仕事はなかなか獲得できません。自分ができることを実際に示す必要があります。
「15秒でいいから、しっかりしたものを作るっていうのほうがいいと思います」
プロにとっては、15秒も見れば動画のレベルがわかるそうです。仕事の獲得には、自分ができることを示すアピールが重要といえるでしょう。
参入する分野を決める
参入する分野を決めるには、ジャンルのリサーチが必須です。種類でいうとエンタメやビジネス、インタビューなどがあります。おすすめはインタビュー系の動画編集です。
「いきなりエンタメ系やるのはレベルが高いんで。僕は基本的には、インタビュー対談しているやつとか、ひとりでしゃべっていて、それに対してテロップが入っているみたいなタイプとかの動画編集を、まずはやったほうがいいかなと思います」
ポートフォリオには、インタビュー動画をのせましょう。他のジャンルと比べて、激しいエフェクトなども必要がなく、取り組みやすいです。
徹底的にまねをする
ジャンルが決まったら、流行を徹底的にまねすることが重要です。他の動画と同じ雰囲気のものを作れる技術があれば、営業時に役立ちます。
クライアントからの要望は、はっきりしていないことが多々あります。YouTubeの具体的な作品名などで指示されることも。
「何々っぽい、をどんだけ正確に再現できるかっていうので技術がわかる」
つまり他の動画を再現できる技術があれば、クライアントの要望も叶えやすいのです。
素材そのものはまねてはいけません。しかし、色使いや音楽、テロップのデザインなどは徹底的に再現してみましょう。徹底的にまねをすると、自分自身のスキルアップにもつながります。
ステップ4.提案文を作って営業する
提案文の作成時には、以下のポイントを理解して営業しましょう。
- 人助けのイメージで営業する
- 相手の情報をしっかり把握してから案件へ応募する
- 最低時給は1000円を意識する
それぞれについて順番に紹介します。
人助けのイメージで営業する
ポートフォリオの作成ができたら、提案文を作成し営業をおこないます。営業と聞くと少し苦手なイメージをもつ人もいるかもしれません。
森下さんは営業を、人助けのイメージで表現しています。
「営業って、困っている人をあげて助けてあげるっていうイメージ。動画を作るのが大変な人がいるから私が作ります。シンプルに言うとそういうことです」
営業を人助けと思えば、苦手なイメージもやわらぎます。積極的に営業をおこない案件を獲得しましょう。
相手の情報をしっかり把握してから案件へ応募する
動画編集の案件は、さまざまなところで募集されています。クラウドワークスやランサーズ、ココナラやTwitterなどが代表例です。営業する際の注意点を、森下さんは以下のように話します。
「いきなり応募するのだけはやめてほしい」
では、どのような準備をするのでしょうか。
募集をしている相手を調べることが大切です。募集内容はもちろんですが、個人であればSNS、会社であればホームページを見て調べ上げます。
「相手の情報をしっかりと見て、それを盛り込んだうえで提案文に書くっていうのが大切です」
相手のことがわかっていると、提案文に必要な情報も変わってきます。例えば、いつも忙しくサイトを運営している人であれば、動画の質はもちろんですが、納品までのスピードも求められるでしょう。
スピード感をもって仕事ができると提案文に盛り込めば、相手の状況にあったアピールが可能です。案件へ応募する前には、必ず相手の情報収集を心がけましょう。
時給は最低でも1000円を意識する
動画編集の仕事をする場合は、時給換算して1000円となるように意識するとよいでしょう。単価の低すぎる案件は、獲得しやすいですが得られるものは少ないです。しかし、はじめたばかりの頃は自信の少なさもあり、単価の安い案件に応募しがちです。
「正直、僕もはじめは1000円でした」
森下さんの動画編集1本目、納品までにかかった時間は5時間でした。時給にして200円です。これでは思ったように稼げずに、継続が困難になります。
目安としてYouTubeであれば1本5000円、ショート動画であれば1本1000~3000円を目指します。
「フリーランスでやっていくなら、自分の時給計算っていうのはできるようになっておいたほうがいいと思います」
ショート動画は単価が下がりますが、作業時間も短くなるので時給を維持しやすいです。案件を獲得する場合は、自分の時給が1000円を下回らないように意識しながら営業しましょう。
ステップ5.仕様書を読み作業して納品する
仕様書を読み、実際に作業して納品する過程を、以下の2つに分けて紹介します。
- 仕様書を読み質問する
- 2回に分けて納品する
現場目線のアドバイスが、ふんだんに盛り込まれています。順番にみていきましょう。
仕様書を読み質問する
仕様書とは、動画をどのように作ったらよいかが書いてある書類です。
「仕様書のとおりにしてこないっていう人がめちゃくちゃ多い。わからないんだったらわからないと言ってほしいですね」
初心者の人はよく、遠慮してわかったふりをしてしまいます。質問は悪いことではありません。むしろ、質問しないとあとで修正が多くなり、時間がかかってしまいます。
「動画編集って、作ったものを直すのめんどくさいんですよ」
例えばテロップを1行直すとなると、うしろの部分をすべて修正しなければいけません。はじめのうちに、わからないことを聞く姿勢が重要です。
2回に分けて納品する
納品までの流れのコツは、いきなり完成品を提出しないことです。
「僕だったら、だいたい3割と7割で2回ぐらい提出して、それで相手にOKもらったら完成にもっていく」
動画であれば、カットが終わったあたりが3割終了の目安です。7割はテロップ入れが終わったあたりでしょう。
2回の確認を踏むと、提出した時点で修正が入るため、最後に大幅な手直しが入ることは少なくなります。何回かに分けて動画を提出し、相手とコミュニケーションを取るのが重要です。
5ステップをもとに行動して月5万円を目指そう
ひととおりの流れが理解できたら、実際に5ステップをもとに行動して月5万円を目指します。単価が5千円であれば10本、単価1万円であれば5本のように、月の納品本数をイメージしましょう。
「1万円ぐらいの仕事の単価をやった方が、いろんな意味で学ぶものは大きい」
低単価の案件は、誰にでもできる作業が多いです。単価1万円の仕事を獲得できると、案件から学習できるため、好循環につながっていくでしょう。
「僕は1ヵ月目で4万2千円だったかな。2ヶ月目で5万円を超えたときはこういう風にやった、ていう感じでちょっと説明をさせていただきました」
今ではプロの動画編集者として活躍している森下さんです。駆け出しの頃を思い出して、5万円稼ぐまでの5ステップを解説してもらいました。稼ぐためには、稼いでいる人のまねをするのが一番の方法です。ぜひ順番に挑戦してもらいたいと思います。
気になるところを聞いてみました!動画編集の疑問
動画編集のプロである森下さんに、仕事に関する以下の質問をしてみました。
自信が抱いている動画編集の疑問と、似ている質問があるかもしれません。ぜひ参考にしてください。
Q.動画撮影ってチームで動いているイメージですが、はじめからひとりでおこなうのは大変ですか?
A.「僕の場合はまず、クライアントさんがまずこういう映像を撮りたい、こういう動画を作りたいっていうのを聞いたうえで、可能だったらひとりで撮る。ちょっときついなと思ったら、その映像を撮るんやったらこんだけの機材と人がいるんで、金額的にもこのぐらいになるっというような提案をします」
Q.動画撮影の金額設定に悩んでいます。どうやって金額を設定していますか?
A.「ひとりでやるかチームでやるかで、金額が変わってきます。例えばインタビューみたいな動画で、カメラおきっぱなしのひとり向けの撮影なら、最低15~20万円がスタートかなって気がします」
Q.編集って男性の方が多いイメージですが、やはり機械が苦手な人は難しいですか?
A.「僕の周りはそんなことないです。統計はとっていないんで僕の勝手なイメージですけど、男性が多いかなっていう感じかな。6対4か7対3ぐらいのイメージ。編集だけに特化して考えるのであれば、パソコンが苦手でも、別に慣れますよ」
「Adobeさんのソフト、めちゃくちゃ性能が上がってまして。コツさえつかんで10本ぐらい作ってみたら、誰でも作れると思っています。5万円とか10万円とかの話ならね。50万とか100万とかってなってくると、また全然別の話になってくるんですけど」
Q.どれぐらいで月3~5万稼げるんですか
A.「1ヶ月あったらいけるんじゃないですか。ポートフォリオが作れるぐらいのスキルがあるなら、営業をはじめてもいいと思いますよね」
「15秒でいいから動画の中に、自分のもっているスキルのすべてをぶち込めたら、自信もって営業してもらっていいと思います。僕はカットとテロップしかできないレベルで営業をはじめてましたね」
Q.カットとテロップだけで営業をはじめたと?
A.「カットとテロップだけでできる仕事を探そうと。案件をやったらたまたま1000円の仕事だったんですよ。1000円だとちょっときついよねって思ったから、徐々にできることを増やしていった感じですね」
「僕の1本目の報酬が1000円で、2ヶ月目には3000円ぐらい。3ヶ月目ぐらいで5000円ぐらいの平均かなっていう感じですね。最終的に1年目で一番単価がよかったのは3万円ぐらい。1年目は確か250本ぐらいは編集したと思います。だから5万円なら誰でもね、1ヶ月でいけると思っています」
Q.最後に今やっていることを教えてください
A.「2023年は、泉佐野市と僕のやっている会社と合同で、フリーランス向けの合宿をやることになっています。動画編集とプログラミングの講座を、1ヶ月かけて学んでいく形でやっていきます」
「月5万円なら1週間あればなんとかなるよ、っていう話したんですけど、もっと上を目指したいんだっていう、50万100万円いきたいっていうんであれば、やっぱり他にも学んでいただくこともできる。最低でも月30万円ぐらいは余裕でいけるよ、っていうことを学んでいただくための合宿を開催する予定です」
Q.実質無料のところもむちゃくちゃいいポイントですよね
A.「参加費として39,800円かかるんですけども、泉佐野市さんのポイントで全部ポイントバックされます。1ヶ月間にかかる39,800円に、講座の費用と宿泊費が含まれています。僕としては今回ですね、なるべく色んな方にフリーランスの可能性を開いてほしい。ぜひぜひ本気の方は応募してくれればなぁと思っています」
Q.夢がありますよね。
A.「ありますよ。僕はまあ好きでやっていますから、もっと動画のマニアックな話も機会があればやっていきたいと思っています。興味のある方は一度ホームページを見ていただければなと思います」
気さくに答えてくれる森下さんは自称「NGのないタイプ」です。他にも質問があれば、気軽に投げかけてみてくださいね。
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